自己破産のデメリットにはどのようなものがありますか?
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個人再生や自己破産についてお困りの方は、ぜひ一度、リーベ大阪法律事務所にご相談ください。
自己破産した場合のデメリット
(2021.11.26更新)
自己破産をした場合のデメリットには,次のようなものがあります。
①信用情報機関にブラック登録される。
②借金がしにくくなる。
③官報に掲載される。
④法律等に定められた資格制限がある。
⑤不動産の所有権を失う可能性がある。
⑥管財事件になった場合の制限がある。
以下,詳しく説明していきますので、自己破産をした場合にできなくなること、自己破産をするとどうなるかをご確認ください。
信用情報機関にブラック登録される
信用情報機関には,CIC・JICC・KSCなどの機関があります。
一般に,これらの信用情報機関に自己破産や延滞などの情報を登録されることが,ブラックリストに登録されると呼ばれています。
各機関の登録情報の保有期間は,CICとJICCが信用情報登録から5年とされています。
ただし,各金融機関が信用情報機関に登録してから5年となりますので,官報等に掲載される時期等とは若干のずれがある場合があります。
KSCは,官報情報について10年間情報を保有するとされておりますので,官報掲載から10年間は情報が登録されているということになります。
したがって,ブラック登録される期間は5~10年となり,その間は①新たに借り入れをすることが難しくなったり,②携帯電話の機種代金を分割で支払ったり,③住居の賃貸契約の際に保証会社の審査があるような住居に居住することが難しくなったりというようなデメリットが発生することになります。
借金がしにくくなる
信用情報機関にブラック登録されるというところに書いたように,5年~10年は信用情報機関に自己破産したという情報が登録されることになりますので,その間は新たに借り入れをしたりローンを組んだりということが難しくなる可能性があります。
また,自己破産をする際に借り入れていた金融会社については,信用情報以外に独自の情報を記録している可能性がありますので,その場合には,信用情報機関の登録期間が過ぎた後でも借り入れをすることができない場合があるかもしれません。
また,新たに借り入れができないことによりネットでの買い物等ができないことを心配されるかもしれませんが,現在ではデビットカードの利用や〇〇ペイ等の決済手段によりネットでも買い物をすることが可能となっておりますので,その点の心配は減ってきたと考えられます。当事務所で自己破産をされたお客様の中にもデビットカードを利用してネット上での買い物をされている方もおられます。
官報に掲載される
自己破産をしたことは官報に公告されます(開始決定時は破産法第32条・同時廃止の時は破産法第216条・免責許可決定の時は破産法第252条)。
そのため,官報を確認している人や勤務先がある場合には自己破産をしたことが分かってしまうかもしれません。
また,最近では,インターネット上で官報情報を公開しているようなサイトもあるようで,そこから破産したことが分かってしまう可能性もあります。
法律等に定められた資格制限がある
自己破産した場合には,各種の法令に資格制限が設けられています。
弁護士,弁理士,公認会計士,公証人などは,破産手続開始決定を受けると資格を失うことになります。
また,破産手続開始決定を受けて復権していないときにはそれぞれの資格を得ることもできません。
上記のような資格は法律上の規定により,資格を取り消さなければならいというように規定されていますが,法律の規定上で,「取り消すことができる」と定められている資格もあり,そのような資格の場合には,当然に資格が取り消されるわけではなく,取り消しの手続が取られなければ資格が停止することはありません。
生命保険募集人(保険外交員)などはこの場合に当たります。
このように,資格制限はそれぞれの資格について定められた法律に自己破産になった場合の制限が定められておりますので,全てを掲載することは難しいですが,資格をお持ちの場合には必ず弁護士までお伝えください。
また,自分の持っている資格が大丈夫か不安がある場合にはお気軽にお問い合わせください。
これらの資格制限も,復権を受ければ制限がなくなることになります。
復権とは,破産手続開始にもとづいて破産者に発生する人的効果,すなわち各種の資格あるいは権利についての制限を消滅させ,破産者の本来の法的地位を回復させることをいいます。
当然に復権が認められる場合として,破産法第255条に定めがあります。
①免責許可決定が確定したとき
②同時廃止の決定が確定したとき
③再生計画認可決定が確定したとき
④破産手続開始後10年が経過したとき
このような場合には当然に復権が認められ,資格制限等の効果がなくなります。
なお,個人再生を利用した場合には資格制限等はありませんので,資格制限が問題になる場合には個人再生手続を利用することをおすすめします。
個人再生を利用した場合,仕事をしながら借金を5分の1以下にできる可能性があります。
不動産等の所有権を失う可能性がある
自己破産手続は,所有する財産を換価して得られた財団を債権者に平等に配当するという手続になるので,所有する財産は原則として売却等がなされ,金銭に変えられるということになります。
したがって,お持ちの自宅等の不動産についても,売却されて残ったお金を債権者に配当される可能性が高くなります。
なお,個人再生を利用した場合には,所有する財産を換価して得られる価値に相当する金額以上を支払うことにはなりますが,生命保険・自動車・積立金などの財産を手元に残すことが可能となります。
また,住宅については住宅資金特別条項を利用すれば,これまでどおりの住宅ローンを支払い,住宅ローン以外の債務を減額することも可能です。
管財事件になった場合の制限がある
①居住制限
裁判所の許可を得なければ居住地を離れることができません(破産法第37条)。
②引致
裁判所が必要と認めた場合には,破産者の引致を命じることができます(破産法第38条)。
③通信の秘密の制限
破産者の郵便物は破産管財人に転送されることになりますので(破産法第81条),破産管財人に郵便物等を確認されることになります。
そのため,郵便物が手元に届く時期も遅くなってしまいます。
自己破産を申し立てた場合には以上のようなデメリットがあります。
よく聞かれるような,選挙権が制限されるというようなことはありませんのでご安心ください。
デメリットの全てを網羅しているわけではありませんので,ご不明な点等がありましたらお気軽にお問い合わせください。
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この記事を書いた弁護士
弁護士 谷 憲和(大阪弁護士会所属)
弁護士登録以来10年以上にわたって,債務整理・自己破産・個人再生を取り扱っています。
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