個人再生で3年未満で返済することはできますか?
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1 3年未満の再生計画を定めることはできますか?
個人再生を利用して3年未満の返済をしようと考えた場合、まずは3年未満の再生計画を定めることができるかを検討することになります。
しかし、この点については法律で明確に定められており、3年未満の再生計画を定めることはできないとされています(民事再生法229条2項2号・244条)。
法律上の記載は、「最終の弁済期を再生計画認可の決定の確定の日から三年後の日が属する月中の日…とすること。」と記載されています。
このような規定が定められているのは、個人再生では大幅な債権カットがされることから、3年間は精一杯の弁済を求めるのが相当であること、短い期間の再生計画が認められると、債権者からの圧力によって、無理な計画を立ててしまう可能性があることが理由とされています。
債権者からすれば、「そんな余裕があるならもう少し金額を増やして3年間頑張って返済してくれ!」という感じでしょうか。
2 個人再生で繰上一括返済は可能ですか?
上記のように、個人再生を利用する場合には、弁済期間が3年未満となる再生計画を定めることはできません。
では、資金に余裕ができたなどの理由で、繰上一括返済をすることはできるでしょうか。
個人再生では、全ての債権者に対して平等でなければならないとされています(民事再生法229条1項・244条)。
そのため、債務者としては再生計画に定められた時期に返済を続けていくのが原則となります。
しかし、全ての債権者に対して一括して繰上返済する場合には、債権者間の平等が害されることはありませんので、全ての債権者に対して一括繰上返済することは可能であるとされています。
3 一部の債権者のみに対する繰上一括返済はできますか?
これまで説明させていただいたように、繰上一括返済が認められるのは、債権者間の平等を害さないように、全ての債権者に対して行われる場合になります。
しかし、一部の債権者のみに繰上一括返済をすると、その債権者のみが将来のリスクから逃れることができてしまうことになりますので、債権者間の平等を害する結果になるため、一部の債権者のみに対する繰上一括返済はできないとされています。
一部の債権者に対する繰上一括返済を行ってしまうと、将来履行が困難になってしまった場合にハードシップ免責を受けることができなくなってしまったり、破産手続が開始された場合には、偏頗行為否認の対象となってしまう可能性がありますので、一部の債権者に対する繰上一括返済はしないようにしてください。
以上のように、個人再生で3年未満で返済することは原則としてできないこととされていますが、様々な事情で資金的に余裕ができた場合には、全ての債権者に対して繰上一括返済をすることが許されているということになります。
ご不明な点があれば、お気軽にお問い合わせください。
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この記事を書いた弁護士
弁護士 谷 憲和(大阪弁護士会所属)
弁護士登録以来10年以上にわたって、債務整理・自己破産・個人再生を取り扱っています。
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