弁護士の債務整理・個人再生コラム

小規模個人再生の最低弁済額

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このコラムでは,小規模個人再生の最低弁済額がどのように算定されるのかについて説明します。


簡単にまとめると,最低弁済基準額と清算価値を比較し,大きい方の金額が最低弁済額となります。


最低弁済基準額は,債権の金額によって,下記のとおりに計算されます。

債権額が100万円より少ない場合     →そのままの金額

債権額が100万円~500万円の場合   →100万円

債権額が500万円~1500万円の場合  →債権額の5分の1

債権額が1500万円~3000万円の場合 →300万円

債権額が3000万円~5000万円の場合 →債権額の10分の1


清算価値については,基本的に手持ちの財産の時価の合計となりますが,注意点がありますので,以下で詳しく説明しています。


法律上の定め

民事再生法の規定では,最低弁済基準額を下回る再生計画を定めた場合には個人再生の不認可事由となると定められています(民事再生法第231条第2項第3号・第4号)。


民事再生法第231条

2 小規模個人再生においては、裁判所は、次の各号のいずれかに該当する場合にも、再生計画不認可の決定をする。

 三 前号に規定する無異議債権の額及び評価済債権の額の総額が三千万円を超え五千万円以下の場合においては、当該無異議債権及び評価済債権(別除権の行使によって弁済を受けることができると見込まれる再生債権及び第八十四条第二項各号に掲げる請求権を除く。以下「基準債権」という。)に対する再生計画に基づく弁済の総額(以下「計画弁済総額」という。)が当該無異議債権の額及び評価済債権の額の総額の十分の一を下回っているとき。

 四 第二号に規定する無異議債権の額及び評価済債権の額の総額が三千万円以下の場合においては、計画弁済総額が基準債権の総額の五分の一又は百万円のいずれか多い額(基準債権の総額が百万円を下回っているときは基準債権の総額、基準債権の総額の五分の一が三百万円を超えるときは三百万円)を下回っているとき。


では,最低弁済基準額はどのようにして定められているのか,それぞれの規定の内容を説明していきます。


基準債権とは

民事再生法第231条第2項第3号には,「基準債権」という言葉が記載されています。

基準債権は,再生計画の対象となる債権額から別除権(抵当権等)によって弁済を受けられる債権や,再生開始前の罰金等を除いた額となります。

すなわち,再生債権の総額から,住宅資金特別条項を利用する場合の住宅資金貸付債権の額,別条件行使弁済予定額,再生手続き開始前の罰金等を控除した金額となります。


では,この基準債権額を基に,どのように最低弁済基準額が決められていくのかを見ていきます。


基準債権額が3000万円を超え,5000万円以下の場合

民事再生法第231条第2項第3号の規定がこの場合になります。

この場合,算定された基準債権額の10分の1が最低弁済基準額となります。

基準債権額が4000万円の場合,最低弁済基準額は400万円となり,債権の90%がカットされることになります。


基準債権額が3000万円以下の場合

民事再生法第231条第2項第4号の規定がこの場合になります。

この場合,少し複雑に見えますが,整理すると以下のようになります。


基準債権額が1500万円を超え,3000万円を下回る場合

最低弁済基準額は300万円となります。

基準債権額が1500万円であっても,2500万円であっても,最低弁済基準額は300万円となるので,債権の免除割合は基準債権額によって異なります。

これは,民事再生法第231条第2項第4号の括弧書きに,「基準債権の総額の五分の一が三百万円を超えるときは三百万円」という記載があり,その内容をあてはめた結果このようになります。


基準債権額が500万円を超え,1500万円を下回る場合

最低弁済基準額は基準債権の総額の5分の1の金額となります。

すなわち,債権の80%がカットされることになります。

基準債権額が600万円の場合には,最低弁済基準額は120万円となります。


基準債権額が100万円を超え,500万円以下の場合

最低弁済基準額は100万円となります。

この場合,基準債権の5分の1の金額が100万円を下回ることになるので,100万円が基準債権額になります。

これを原則3年で返済していくので,毎月の返済額は約3万円程度となります。


基準債権額が100万円を下回る場合

最低弁済基準額は基準債権額そのままとなります。


基準債権から算定される最低弁済基準額は以上のとおりとなりますが,計画弁済総額は,破産した場合の配当額以上でなければならず,これを下回る計画案は,再生債権者一般の利益に反するものとして認可されません(民事再生法第230条第2項・第174条第2項第4号)。

したがって,これらの基準債権から算定される最低弁済基準額と,手持ちの財産を破産によって処分した場合の価格とを比較し,多い方を最低弁済額とするということになります。

なお,破産した場合の配当額以上の価値のことを清算価値と呼びます。以下では,清算価値の算定方法について説明します。


清算価値の算定方法

清算価値は,所有している財産の価値を基準として,その合計額を基準にすることとなりますが,以下のように特別な計算方法を用いる場合がありますので,その点について説明します。

なお,以下に説明する基準については,基本的に大阪地方裁判所の場合を記載しております。裁判所によっては算定方法が異なる場合がありますので,その点にはご注意ください。


現金と預貯金

手持現金と普通預金・通常貯金の合計額から99万円を控除した金額が清算価値として算定されます。

つまり,99万円以下の現金・預貯金であれば個人再生後もそのまま持ち続けることが可能です。


保険の解約返戻金

解約返戻金の額がそのまま清算価値になります。


退職金

退職金額の8分の1が清算価値として計算されます。

ただし,退職時期が近付くにつれて清算価値として計上される金額は大きくなっていくので注意が必要です。


敷金・保証金

返還される予定の金額から60万円と滞納家賃額を引いた金額が清算価値として計上されます。


その他

その他の株式,自動車,〇〇ペイの残高,仮想通貨等の財産については,その時の時価が清算価値として計上されます。


以上のようにして算定された清算価値の金額と最低弁済基準額とを比較し,大きい方の金額が小規模個人再生の再生計画に定められる最低弁済額となります。


最低弁済額のまとめ

以上のまとめとして,具体例で最低弁済額を計算してみます。


基準債権の額→600万円

清算価値として計上される金額→100万円

の場合


最低弁済基準額→600万円の5分の1で120万円

それと清算価値として計上される金額100万円を比較すると,

120万円>100万円となるので,

最低弁済額は120万円となります。


最低弁済額の計算には,最低弁済基準額だけではなく,清算価値の計算も合わさってくるので,場合によっては複雑な計算が必要になってくる場合もあります。

ご不明な点がある場合には,リーベ大阪法律事務所までお気軽にお問い合わせ下さい。


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