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借金減額が法的に認められる制度はありますか?

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借金の減額や債務整理について検索すると、借金減額診断や、国が認めた借金救済制度などの広告が出てくると思います。

借金減額診断をしたり、借金救済制度の中身を確認すると、実際には、任意整理・個人再生・自己破産の方法によって毎月の返済金額の減額をしたり、元本を減額して返済を続けたり、返済をやめて元本を0にするといった方法になっています。


しかし、任意整理では将来の利息を一定程度減額したりすることは可能でも、債権者との交渉によって元本を減額するということは難しいことがほとんどです。

自己破産は、借金返済ができないという状態を裁判所に認めてもらい、法的に元本を返済しなくてもよいという状態になります。


自己破産をすると借金を返さなくてよくなるということは皆さんもご存知だと思います。

しかし、自己破産のイメージなどから自己破産は避けたい、できる限り返済を続けていきたいというお考えの方も多いと思われます。


そこで任意整理を考えられる方もいらっしゃると思いますが、債権者との交渉で元本を減額してもらうということは難しく、皆さんが考えられているような借金減額のイメージとは違うものになっているかもしれません。


このように元本を減額して返済を続けていくという意味での借金減額は、任意整理や自己破産では難しく、実際の任意整理や自己破産を調べてみると、思っていた借金減額のイメージと違っているかもしれません。

そこで、一度個人再生という方法を検討されてみてはいかがでしょうか。


個人再生では、以下の基準で算出された金額を比較して、最も高い金額で再生計画案を作成することが法律で定められており、あまり財産をお持ちでなく、100万円以上の借金がある場合には、ほぼ100%の確率で元本の減額が認められることになります。最高の減額率は、なんと借金額の90%が減額されるというものになっています。

減額された金額を3年かけて返済していくことになりますが、その返済が可能であれば、イメージされている借金減額に一番近いものになっているのではないでしょうか。また、この制度は民事再生法に定められているので、借金減額が法的に認められている制度となっています。

借金の金額から算出する金額借金額が100万円未満の場合→全額
借金額が100万円以上500万円未満の場合→100万円
借金額が500万円以上1500万円未満の場合→借金額の5分の1
借金額が1500万円以上3000万円未満の場合→300万円
借金額が3000万円以上5000万円未満の場合→借金額の10分の1
財産の価値から算出する金額
(清算価値基準)
現預金、不動産、自動車、保険の解約返戻金、退職金の清算価値など、
財産と判断されるものの価値の総額
収入から算出する金額収入から、住民税や所得税等の税金、社会保険料、政令で定められた
必要最低限の生活費を控除した金額(可処分所得)の2年分の金額

小規模個人再生の場合は、借金の金額から算出する金額と清算価値基準を比較し、高い方の金額を返済する必要があります。給与所得者等再生の場合は、全ての基準を比較し、一番高い金額を返済する必要があります。


以下では、個人再生の制度の概要や、メリット・デメリット、手続の流れについて説明しています。

ご不明な点がありましたら、当事務所までお問い合わせください。

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リーベ大阪法律事務所のモットー

 私たちの最優先事項はお客様一人ひとりのお話をじっくりとお伺いし、その方にとって最善の解決策を共に考えることです。
 打合せ時間には余裕をもって、お客様が納得できるまでしっかりとお話しさせていただきます
 安心してご相談いただける環境を整え、信頼できるパートナーとして、皆様の未来をサポートいたします。
 個人再生や自己破産についてお困りの方は、ぜひ一度、リーベ大阪法律事務所にご相談ください。

 

個人再生とは

個人再生は、裁判所に対して個人再生の申立てを行い、裁判所の認可決定を受けることで借金の大幅な減額を受けることができる手続です。減額を受けた金額を、概ね3年かけて返済すれば、残りの借金については支払わなくてよくなります。


大きな財産をお持ちではない場合、仮に800万円の借入があるとすれば、個人再生の場合、5分の1に減額されますので、160万円を3年分割で支払うことになり、毎月の返済額は約4万5000円となります。任意整理をしようとする場合には、5年分割での支払いができたとしても、毎月の返済額は約13万5000円の支払いが必要となりますので、個人再生を利用すれば、毎月の返済額はかなり少なくなる可能性があります。


自己破産をした場合には、借金の返済義務はなくなりますが、一定の価値がある財産は処分の対象となってしまいます。しかし、個人再生であれば、生命保険や自動車などの財産を残したまま手続をすることも可能となります。さらに、
住宅資金特別条項を利用すれば、住宅ローンを返済し続ける必要はありますが、住宅ローンが残っている自宅をそのまま残すこともできます。

また、自己破産の場合には免責決定を受けるまで資格が停止する場合がありますが、個人再生の場合には影響がないことが多いです。


個人再生のメリット

①借金の返済額を大幅に圧縮できる

 個人再生では、以下の基準で算出された金額を比較して、最も高い金額で再生計画案を作成します。

借金の金額から算出する金額借金額が100万円未満の場合→全額
借金額が100万円以上500万円未満の場合→100万円
借金額が500万円以上1500万円未満の場合→借金額の5分の1
借金額が1500万円以上3000万円未満の場合→300万円
借金額が3000万円以上5000万円未満の場合→借金額の10分の1
財産の価値から算出する金額
(清算価値基準)
現預金、不動産、自動車、保険の解約返戻金、退職金の清算価値など、
財産と判断されるものの価値の総額
収入から算出する金額収入から、住民税や所得税等の税金、社会保険料、政令で定められた
必要最低限の生活費を控除した金額(可処分所得)の2年分の金額

小規模個人再生の場合は、借金の金額から算出する金額と清算価値基準を比較し、高い方の金額を返済する必要があります。給与所得者等再生の場合は、全ての基準を比較し、一番高い金額を返済する必要があります。

②住宅資金特別条項を使えば持ち家を残したまま債務整理ができる

 住宅資金特別条項を利用できる場合には、住宅ローンが他の借入とは別の特別扱いを受け、これまでと同じように住宅ローンを支払い続けることで、住宅を残すことができます。

 →個人再生と住宅ローン

 

③最低弁済額を超える返済ができれば財産を維持することができる

 個人再生の返済額基準で決められた最低弁済額を返済することができれば、お持ちの財産については何の影響も受けず、これまでどおり持ち続けることができます。

④貸金業者からの督促が止まる

 弁護士が依頼を受ければ、貸金業法により、貸金業者が本人に連絡することが禁止されておりますので、貸金業者からの督促が止まります。


⑤資格(保険外交員や警備員など)への影響がない

 自己破産の場合には、資格によっては、免責を受けるまでの間に資格が停止することになりますが、個人再生の場合にはそのような定めがないことが通常です。

個人再生のデメリット

①官報で公告されてしまう

 個人再生をしたことが官報に掲載されます。住所・氏名も掲載されますが、官報を見ていない人のほうが多く、ここから個人再生をしたことが人に知られてしまうことは少ないです。

②裁判所への提出書類を準備する必要がある

 裁判所への申立てが必要になるため、準備していただく書類が多くなります。ご自身でご準備いただかないといけない書類も多いですので、準備には労力が必要となります。

 →個人再生の必要書類と入手方法

③財産が多いと返済額が増えてしまう

 清算価値基準でも返済総額が決まりますので、お持ちの財産が多かったり、住宅の価値が高かったりする場合には、個人再生を利用するメリットがなくなってしまう場合があります。

④申立てから決定まで時間がかかる

 裁判所に申し立ててから確定するまでに時間がかかりますので、ご依頼いただいてから返済開始までにかなりの時間がかかることになります。

⑤信用情報に個人再生をしたことが登録される
 
信用情報に個人再生をしたという情報が登録され、登録されている間はクレジットカードを作ったり、新たな借入をしたりすることはできなくなります。ブラックリストに載ると一般的に言われている状態となります。ただし、個人再生だけでなく、任意整理をしたり、長期間返済ができていない状態が続いても信用情報に登録されますので、その場合とあまり変わりはありません。



個人再生の流れ

リーベ大阪法律事務所では、大阪地裁やその周辺での個人再生の申立てが多くなっておりますので、大阪地方裁判所の場合を例に個人再生の流れを説明します。裁判所によってはスケジュールが異なる場合がありますので、ご注意ください。


①お問い合わせ

 電話またはお問い合わせフォームからお問い合わせをお願い致します。

 ご持参いただく書類についてもお伝えさせていただきますので、ご準備をお願い致します。


②相談・受任手続

 ご予約いただいた日にリーベ大阪法律事務所にご来所いただき、弁護士にご相談ください。

 ご相談いただいたうえで、今後の方針を決めてから受任の手続となります。

 受任後はすぐに受任通知を発送致しますので、貸金業者からの督促はストップします。


③書類の準備

 裁判所に個人再生の申立てをするために必要な書類をご準備いただきます。

 また、その間に弁護士費用を分割してお支払いいただくことも可能です。費用の支払終了後には、履行テストのための積立てを始めます。個人再生が確定するまでの間、予想される返済額以上の金額を毎月積み立てていくことになります。


④裁判所への申立て

 個人再生の準備が終われば、裁判所に個人再生の申立書を提出します。

 裁判所での審査後、個人再生の開始決定がなされ、個人再生の開始決定のあったことが官報に掲載されます。

⑤債権届出期間及び再生計画案の提出

 個人再生の決定後、債権届出期間内(4週間)に債権者から債権の届出がなされます。

 債権の届出に対して異議がなければ再生計画案を作成し、裁判所に提出します。


⑥書面決議に付す旨の決定又は意見聴取決定

 再生計画案を裁判所に提出した後には、小規模個人再生の手続を選択した場合には書面決議に付す旨の決定が、給与所得者個人再生の手続を選択した場合には意見聴取決定がなされます。これらの決定がなされたことも官報に掲載されます。


⑦個人再生の認可決定

 書面決議により再生計画が認められた場合や意見聴取期間に意見がなければ、再生計画の認可決定がなされます。認可決定から約5週間後に確定し、再生計画に基づいた返済が開始することになります。



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個人再生のよくある質問

Q.個人再生ができる要件はありますか?


A.①借入総額が5,000万円以下であること(住宅ローンは除きます)

 ②最低弁済額を超える再生計画に基づいた返済が可能であること

 ③小規模個人再生の場合、債権者の2分の1以上の反対がないこと

 ④給与所得者等再生の場合、過去7年以内に破産免責手続決定等を受けていないこと

 となります。

 詳細は→個人再生の条件のページで解説しています。


Q.個人再生の費用はどうなっていますか?


A.住宅資金特別条項の利用がない場合は44万円(税込み)

 住宅資金特別条項の利用がある場合は54万円(税込み)
 となっております。

 ※裁判所への予納金なども含まれておりますので、個人再生委員の選任がなければ、これ以上の費用はかかりません。



Q.任意整理との違いを教えてください。


A.任意整理では、個別の貸金業者と交渉することになりますが、利息制限法を超える借入がない場合には、基本的に大幅な減額となることはありません。また、個別の貸金業者との交渉になりますので、任意整理であれば特定の業者を対象から外すことができますが、個人再生では全ての業者が対象となり、特定の業者を外すことはできません。



Q.自己破産との違いを教えてください。


A.自己破産では、全ての借金を免除されることになりますが、個人再生では減額された残りの金額を返済する必要があります。

 また、自己破産では、一定以上の価値のある財産は処分する必要がありますが、個人再生では清算価値以上の返済が可能であれば、財産を残すことが可能です。住宅資金特別条項も利用できるので、住宅を残すことも可能です。ただし、別除権(所有権留保等)については行使されますので、ローンが残っている自動車などは引き上げられてしまうことになります。

 自己破産にはギャンブルによる借金などの免責不許可事由がありますが、個人再生の場合にはありません。


Q.保証人がいる場合にはどのような影響がありますか?


A.個人再生をすると、保証人に請求が行くことになりますので、事前に保証人と協議しておく必要があります。

 ただし、個人再生で返済した部分については控除されることになります。


その他の質問については→個人再生Q&Aをご確認ください。



早めの相談をおススメします!

当事務所では、個人再生に関して多くのお問い合わせをいただいております。借金を放置したままにしておくと、どんどんと遅延損害金も増えていきますし、取れる手段も少なくなっていってしまいます。訴訟が提起され、給料が差し押さえられたりする前に、早めに専門家にご相談ください。

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この記事を書いた弁護士


弁護士 谷 憲和(大阪弁護士会所属)


弁護士登録以来10年以上にわたって,債務整理・自己破産・個人再生を取り扱っています。

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